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    [11.03.07] 蕎麦 のし


    この打ち台でどのくらいの蕎麦を打ってきたことだろう。20年前からずっと同じ作業を繰り返してる。何回めん棒を生地の上で転がせればいいのか、どれだけの力をかければいいのか、生地の厚さはどのくらいにするのか…。初めて蕎麦と向き合った時はどうしたらいい蕎麦が打てるんだろう。どんな蕎麦がうけるんだろう。と、考えながら打ってました。人の反応ばかり気にしてました。今思うと、うけを狙っていたころの蕎麦は、どこか稚拙で貧弱だったかもしれません。トマトを使ってイタリアンテースト、いろんな具材を蕎麦に乗せた一見ゴージャスな目くらまし戦法。あの手この手で目立たせようと思った時期もありました。でも、一年蕎麦を離れてみて自分なりにわかったことがあります。蕎麦は、シンプルに、あまりいじくりまわさないほうが、より力強く、よりおいしくいただけるんです。そして食べるほうも蕎麦マニアにならず、ichiの時間を楽しみながら食べてもらいたいです。江戸の蕎麦は少量の蕎麦をはしでつまんで、ザザーっとたぐり、三くち、四くちで食べ終えるのが粋。ichiの蕎麦は、ほくほくの野菜をほうばり、蕎麦を野菜のいっぱい入った汁にからめてゆっくり楽しみながら食べるのがgood!なのです。